データ検索がビジネスのスピードに影響していることを知っていますか?

データ分析
「データ検索」と一口にいっても、どのように情報が蓄えられているかによって、検索の効率や方法が違ってきます。データを検索して活用する場面をイメージすることで、ほしい情報をすばやく手に入れることができるのです。今回は、その「データ検索」について紹介します。
RDBMSとDWHの違い
ビジネスシーンでデータを蓄積する方法と言えば、どのようなことがイメージできるでしょうか? 次の2つの方法を思い出される人もいるのではないでしょうか。
・ RDBMS(リレーショナル・データベース・マネジメント・システム)
・ DWH(データウェアハウス)
どちらも、「データを蓄積」することは同じなのですが、蓄積する方法(アーキテクチャ)に違いがあります。この違いを理解していないと、蓄積されたデータを活用しようと考えたとき、すばやく効率的に活用できません。それぞれの違いで顕著な部分は、次のようなことです。
・ RDBMS・・・行単位に情報を入出力する
・ DWH・・・列単位に情報を入出力する
同じように見えていても、この情報の入出力に関する違いを知っていないと、データ検索に失敗してしまいます。また、それぞれの特徴を理解していないとデータ検索も効果がでませんし、検索した後に活用する場面でもスピーディーな処理を期待できません。RDBMSとDWHの違いは後の処理にも影響しますので、この違いを理解しておきましょう。
データ検索のメリットとデメリット
それでは、RDBMSとDWHのメリットとデメリットをお話します。
RDBMSのメリットのひとつは「データの追加・更新・削除の効率が良い」ということでしょう。基幹システムで活用されていることからもわかりますが、データに対して更新系のアクションが増える場合、RDBMSは有利になります。また、「インデックスにより検索を高速化できる」というメリットもあります。キーとなる検索項目から一致するデータを抽出することができます。
反対に、RDBMSのデメリットとはというと、集計や分析を行った場合、不要な列情報を読み込んでしまいメモリが大量に消費されてしまいます。また、CPUの処理リソースを多く使いますから、ほかのシステムにも影響を与えます。
次に、DWHのメリットを見てみましょう。RDBMSの反対になりますが、1番のメリットは列単位で情報を保持しているため、集計や分析を行う場合でも無駄な列を読み込むことがありません。その結果リソースが消費されることが減りますし、メモリやCPUのリソースが消費されないためパフォーマンス面でも効果が期待できます。逆に、DWHのデメリットはRDBMSのように頻繁なデータの追加・更新・削除は苦手だということでしょう。また、データそのものが少ない場合にも効果を発揮することができません。
そして、RDBMSでは効果的なインデックスですが、あらゆる情報が列単位で保持され、すべてが検索条件となりえるDWHにおいてインデックスは次のような問題が生じることになります。
・ インデックス領域の肥大化により、データベースも肥大化する
・ 肥大化したデータベースはメンテナンスコストが上昇する
・ 肥大化したデータベースはデータロードに時間が掛かる
・ 肥大化したデータベースはストレージのコストを上昇させる
DWHにおけるインデックスのデメリットは、運用での問題に直結します。それぞれのメリットとデメリットを知り、あなたの会社の膨大なデータをどのように蓄積し活用したいのかを考えることが必要となります。
集計や分析はDWH
では、会社に蓄積されたデータはどのようなことに活用されているのでしょうか。多くの場合、活用されるのは「経営判断」でしょう。そして、経営判断に必要な情報はというと「列情報」なのです。ここで思い出してほしいのですが、列情報を効果的に扱えるのはDWHだということ。確かに基幹システムにはRDBMSが活用できますが、経営判断に必要となる集計や分析に関しては、「列」の検索が得意なDWHが適しています。
RDBMSでもインデックスで対応できると考えがちですが、検索対象が増加すると、ストレージコストも含めて対応することができなくなります。そのため、集計や分析を行うなら、列単位での処理が行われるDWHが有利になります。
必要なのはスピーディーなデータ検索
RDBMSでもDWHでも、同じようにデータを蓄積することはできます。しかし、蓄積したデータを的確に活用するためには、データを検索し、集計し、分析する必要があります。そして、この流れの通り、スピーディーなデータ検索が最初に必要であることは明らかです。
あなたの会社の経営判断をスピーディーに、そして的確に行うためには、どのような形でデータを蓄積し資産とするのか、もしこれから導入されるのであれば、DWHを選択肢に入れることをおすすめします。
参考:
・ 汎用RDBMSとデータウェアハウスの違い|ThinkIT