知っていますか?会社経営にも有効な「データマイニング」

データ分析
「データマイニング」という言葉をご存知でしょうか? 会議やプレゼンでも聞くことの多い言葉ですが、なんとなく理解しているという方も多いようです。「データマイニングって、分析することだよね?」というところまでは理解されていても分析する目的や、何に使えるのかがイマイチよくわからないという声をお聞きすることがあります。そこで今回は、「データマイニング」について解説していきます。
データマイニングとは
データマイニングとは、具体的にどのような技術だと思いますか? また、どういったことを見出す手法だとイメージされているでしょうか。データマイニングとは、大量に存在するデータの集まりから「知識」を発見することなのです。この「知識」とは、データの中に存在する「あるパターン」「あるルール」「ある法則性」のことであり、これらのことを発見するのが「データマイニング」なのです。
例えば、車の購買層を考えてみましょう。年齢20代から70代までの車を購入した人と、購入した車の値段についての関係性を調べたとします。年齢を20歳から1歳刻みで70歳まで。車の値段を100万円から10万円刻みで500万円までの購入数の組み合わせを検索したとします。そうすると、年齢が40歳から55歳の人は、220万円から320万円の車を購入することが多いとわかりました。これが「パターン」「ルール」「法則性」だといえるのです。この知識は、企業によって変わってくるでしょう。全く同じということはないと思います。
販売している商品やサービスの内容、ターゲットが違いますし、訴求するポイントも違っていますから、それぞれ独自の知識が備わっているはずです。自社における「知識」を見つけだすことが「データマイニング」なのです。
データマイニングの目的
データマイニングは、独自の「知識」を見つけだすことができる方法です。もしデータマイニングを行わないのなら、それは勘や経験だけを頼りにしてビジネスを展開することにつながります。
ということは、再現性が期待できません。誰か一人の考えだけが頼りになるということです。これでは企業の経営は長続きできません。また、思ってもいない市場を見つけることも難しいでしょう。データマイニングは、今までよりも深くビジネスを掘り下げ、次のような業務戦略を打ち立てることに役立つでしょう。
・新しい発想
・ニッチな市場
・マクロ視点での市場動向
このようにデータマイニングとは、対象を的確に絞り込み、正確な答えを得ることで、根拠のあるマーケティングに活用することができるのです。
データマイニングでどんな予測ができるのか
データマイニングを活用することで、具体的にどのような予測ができるのでしょうか。ここで注意しておきたいことは「予測」と「予想」の違いです。データマイニングは「説明ができる根拠」を持っているため「予測」です。勘や経験からだけの「予想」とは違うことを覚えておいてください。データマイニングとは事実に基づいたデータから、事象が発生する確率を算出することです。例えば、過去のデータから、次のようなことを「予測」します。
・DMを送った顧客は電話をしても反応がよい
・DM経由の購入者はリピート率が高い
・ネットからの購入者は3回目で解除率がアップする
・半年で3万円以上購入した人は優良顧客になりやすい
データマイニングは大量のデータから、根拠のある「予測」を発見することで、マーケティングにおける「仮説」に裏付けが行われ、より明確なターゲットやセグメントに向けてプロモーションを行うこともできるでしょう。
データマイニングが抱える課題
便利で役立つデータマイニングですが、課題もあります。データマイニングには、大量のデータが必要となります。現在では「10万件のレコードが必要」だともいわれています。データ量が多ければ多いほど、精度の高い検証を行うことができます。また、ひとつのデータの中にも細かな要素が必要でしょう。例えば次のような要素です。
・住所
・性別
・年齢
・一定期間の購入回数
・一定期間の購入金額
・購入した商品
・購入した商品のサイズや色
・購入日
・購入場所
・購入数
・購入金額
このような要素を含んだ大量のデータが必要になってきます。次の課題としては「人材不足」があります。大量のデータが用意できたとしても、目的に合わせた分析手法を使って解析できる人材が必要です。分析や解析と聞くと「数字」だけを気にする印象がありますが、データマイニングでは「顧客の行動や感情」を知ることも必要です。機械的な作業だけではなく、人間的な発想、体験から経験値を持ち合わせてこそ、有用なデータマイニングを行うことができるのです。そういった意味で、現在は人材不足なのです。
有用なツールを選ぶ
データマイニングを活用することは、これからの時代に必要なことです。しかしデータマイニングを専門的に行う人材の確保という課題が存在していることは事実です。この人材不足を解決する方法のひとつは、より有用なツールを活用することです。できるだけ速やかにデータを集め、整理し、有用なツールを選ぶことで、あなたの会社が勝てる市場を見つけてください。
参考:
・データマイニングとは? ~その仕組みと可能性~|ITトレンド
・「データマイニング!って、なんのことなの!?」よく聞くけど実践できていないビックデータの活用手法をご紹介|ボクシルマガジン