データ連携でビジネスの効率を格段アップ!

データ分析
部署単位に蓄積された膨大な情報や他の部署の情報を今度のプレゼンで使いたいとき、どこにあるのかわからずにあちこちフォルダを探し回ってやっと見つけたファイルを開いてみるも、その部署独特のレイアウトが適用されていて情報の意味がわからない。
このような経験は、データ分析を行ったことがある人であれば、一度や二度はあると思います。このような状況は、ビジネスの効率を格段に落としてしまいます。
そこで今回は、他の部署の情報を簡単かつスピーディーに活用するために必要な知識である「データ連携」について紹介します。
データ連携とは
社内にあるデータは部署ごとにバラバラの場所にバラバラの形式で保存されていることが多いものです。自分の部署内ではきちんと整理しているつもりが、他部署から見ると全く内容を理解できないということがあります。
では、このような状態を解決するためにはどうすればよいでしょうか。 第一に頭に浮かぶのは各部署で発生したデータを1つにくっつける「データ統合」ではないでしょうか。
データ統合とデータ連携はよく似たイメージがありますが、それぞれの目的が違います。データ統合の目的は、データをくっつけることでデータベースの容量を減らすことにあります。確かにこれで1カ所にデータが集まりますから、容量の削減だけが目的であれば、理想の状態になるでしょう。
ここで考えておきたいのは、データをくっつけるためには、データを受け取った際に、受け取ったデータをその後どのように利用するのかがわかっていないといけないということです。
ただ、右から左へ受け取ったデータを送り、蓄積するだけでは有効に活用することができません。そこで必要となるのが「データ連携」です。
データ連携とは、異なるデータを受け取り、その後どのような目的で利用するのかを明確にし、業務へ役立てることです。これは、たとえるならば「通訳」の仕組みと同義です。
・ 通訳者が話し手の話を聞く
・ 通訳者が話の内容を理解する
・ 通訳者が頭の中で聞き手が理解できる言葉に翻訳する
・ 通訳者が翻訳した内容を聞き手に伝える
このように、データの受け渡しで通訳者のような流れを行うのが「データ連携」なのです。
データ連携の課題
データ連携の流れについては「通訳者」として表現できますが、データ連携が通訳者のようにうまく活用できない場合があります。
従来のオンプレミス型システムは、データ連携が行いにくく、また増加傾向にあるクラウドサービスも、データが分散化したことで同じようにデータ連携がしにくい状態にあります。
結果として、新旧システムの併用とデータの分散化により、データを統合的に管理しなければならずデータ連携が間に合わない状態になっています。
次の課題として多いのが、現場で行われる手作業でのデータ入力でしょう。特に業務上管理していることをエクセルへ担当者が手作業で入力している問題です。手作業でのデータ入力は、入力ミスを招きます。また、データの整合性が保たれないということも起こりかねません。そこにエクセルの入力形式が部署によってバラバラという状況が重なると、システム化してデータ連携を行うことは難しくなります。
このように、データ連携を進めたいと考えても、複雑な業務内容や処理が組み合わされていることから、考慮するポイントは多岐にわたります。
必要なのは「社内の基盤」
では、どのようにすればデータ連携が可能になるのでしょうか? それには「データ連携」を見据えて「社内の基盤」を策定することです。
データ連携を見据えた「社内の基盤」があれば、システムが新しく導入される場合でも、社内の基盤に合わせてデータをアウトプットできるように指示することができます。既存のシステムを改修する場合でも、社内の基盤を元にしてデータ連携用の受け渡しの仕組みを考えることもできるでしょう。
さまざまな形式のデータがやってきたとしても、データ連携に関する社内の基盤があれば、開発の方針にブレもなくなります。
上質な情報資産こそビジネスの効率をアップさせる
データ連携が実現すると、ビジネスの効率はアップします。あれこれ探す時間も、手作業で変換する時間も、他部署へ聞きにいく手間もなくなり効率アップへとつながります。そのためには、データ連携に関する社内の基盤を策定し、バラバラに分散したデータを1カ所へ集め、誰もが簡単に活用できる情報資産とすることが必要となります。
これからのビジネスシーンを予想すると、ますますスピードが要求されるでしょう。そのためには、データ連携された上質な情報資産は不可欠です。ぜひ、あなたの会社に存在するさまざまなデータを連携し、圧倒的なスピードと他社にはない強みのある情報資産を築き上げてください。
参考:
・ 業種の垣根を越えたデータ連携システム事務局|次世代企業間データ連携調査事業