ビッグデータ分析の目的とは?企業が使う本当の理由と代表的な解析方法を紹介

データ分析

クラウドに続いて耳にすることが増えた言葉に、「ビッグデータ」があります。しかし、よく聞くわりには「ビッグデータ」という言葉の意味を正しく理解している人はまだまだ多くはないようです。そして、「ビッグデータ」を持ち、分析する目的が明確でない企業も多いようです。そこで今回は「ビッグデータ」の意味と分析の目的、そして代表的な解析方法を紹介します。

ビッグデータとは

「ビッグデータ」というと言葉のニュアンスから「大量データ」をイメージします。しかしビッグデータとは「量」だけではありません。ビッグデータには大きく分けて3つの特性があります。

1. 多量性

既存のシステムでは扱いづらいデータ量(数十テラバイト~数ペタバイト)を蓄積する特性を持っています。データ量の想定に関しては、技術の進化によって変化します。現在2017年の段階では「数十テラバイト~数ペタバイト」ですが、3年後や5年後には「数エクサバイト(1エクサバイトをギガバイト換算すると10億ギガバイトになります)」に到達することが「ビッグデータ」と呼ぶ基準に変わっているかもしれません。

2. 多様性

ビッグデータを構成しているデータがどこからやってくるのか。少し前なら「POSシステム(販売時点情報管理)」「金融系システム」「ECサイト」など、ある程度は構造化されたデータが元になっていました。しかし、今後ビッグデータを構成するデータには、次のような情報が構成するデータとなり得ます。

  • ソーシャルのコメント
  • GPS情報
  • 交通機関の乗降履歴
  • 温度センサー
  • CRMシステムでの顧客管理情報
  • 防犯カメラの映像

これからは、従来から使うことが多い構造化された「CSVファイル」「固定長ファイル」「Excelファイル」だけではなく、次のような非構造化データをビッグデータは取り扱うことになるということです。

  • XMLファイル
  • Jsonファイル
  • テキストファイル
  • 画像ファイル
  • 映像ファイル

3. リアルタイム性

データの発生・更新頻度は、ビッグデータを表す特性です。従来からコンビニのPOSシステムは、24時間発生する購買履歴と在庫状況を本部とやりとりしています。また現在であればECサイトはユーザーがクリックするたびに行動履歴を取得しています。このように、ビッグデータには「リアルタイム性」という特性があることも覚えておいてください。

ビッグデータ分析の目的

このような3つの特性を持つビッグデータを、なぜ分析するのでしょうか? 大量で扱いづらく、リアルタイムに増え続けるデータを分析する目的とは何でしょうか。

その目的とは多様化する顧客のニーズに対応し、競争の激しい現在のビジネス環境を生き残るためです。
そのために必要とされるのは、以下の3点です。

  • 新しい環境への対応
  • コスト削減
  • コンプライアンスの対応

これらを素早く判断し、ビジネスや組織を回す仕組みを作り、行動を起こすことが求められていることはご存じの通りです。では、これらのことを実践するとき、勘や経験値だけで判断できるでしょうか。顧客の「欲しい」が多様化する中で素早く課題を導き出すことができるでしょうか。ここにビッグデータを分析する目的があります。

実際に顧客が居るところで起こっている情報、今注目されていることや評判になっていること、どんな経験や体験が求められているのかを知ることができます。そこで、ビッグデータに蓄積された情報そのものに価値を求めるのではなく、そこから新しい価値や知識、課題を選び出すこと(分析すること)がビジネスの競争に勝つためには必要になってきています。

ビッグデータはマーケティングにつながる

ビッグデータは、情報システム部門だけのものでもありません。ビジネスに不可欠なマーケティングにとって十分に必要なものなのです。

例えば、従来の顧客情報から得られることは名前や年齢、職業や住所などの基本情報だけでした。しかし、ビッグデータを活用できると、顧客がソーシャルやネットでの検索サービスを使う時間帯や位置情報、購買履歴などから、今までよりもっと多くの顧客に関する情報を得ることができるのです。このようなことが分析によって見えてくると、顧客が欲しいと感じる瞬間を逃さずに商品の提案することも可能になるでしょう。顧客の「欲しい」という想いを分析によって発見することは、いつの時代でもマーケティングの基本です。

そして、これ以外のマーケティング業務にもビッグデータは活用できます。ウェブを活用したマーケティングが増えることで、マーケティングを行うチャネルが増えていきます。いつまでも勘に頼っていると、どのチャネルに予算を多く割りふり、どのチャネルは配分を最適化するのかということが明確ではありません。しかしビッグデータを分析することで、数値からマーケティングチャネルを最適化することができるようになります。

また、ビッグデータは「財務」という部分でも活用できます。近年では会社の健康状態を計るのに、客観的な財務の指標が求められるようになっています。会社側から判断した、売上・収益・利益の指標ではなく、市場と照らし合わせた上での指標をオープンにすることで、会社の信頼度や好感度のアップにもつながることでしょう。

ビッグデータの代表的な解析方法

それでは、ここでビッグデータ分析の代表的な方法を紹介しておきます。

クロス集計

クロス集計は分析に欠かせない方法です。縦軸と横軸にそれぞれ分析したい要素や属性を並べ、縦軸と横軸が交わる部分に情報を入力していきます。例えば、「毎日朝食を食べている、週に3日食べている、食べない」を横軸に、縦軸には年代を指定することで情報を分析し予測を立てることもできます。

クラスター分析

クラスター分析は、異なる属性や集団、性質が混ざる部分の中から「似たもの同士」を見つける方法です。勘や経験に頼る部分の多いことを、客観的に見せてくれる手法です。

例えば、「女性の世代別好感度バッグブランド」などは、クラスター分析を使うことで導き出せます。「女性の世代別」という属性と「バッグブランド」という集団から「似たもの同士」を抽出すると、20代はAというブランドが、30代はBというブランドが多いというような、何となく勘や経験でわかっていたことが、明確な数値を元にして客観的に判断することができます。

また、これだけなら「クロス集計」でも可能ですが、クラスター分析では、他の集団や属性とどのようなつながりをもっているのか、ということも見えてきます。「20代は28歳になるとBというブランドの支持が増える」ということがわかってくれば、同じ20代の女性に対しても、細かな年齢に対応したマーケティングを展開することができます。

アソシエーション分析

コンビニやスーパーなど一度に多品種を購入される情報がある場合、アソシエーション分析が活用できます。アソシエーション分析とは、「何が一緒に購入されたのか」を知ることができる方法で、通常では考えつかないような商品の組み合わせから、意外な関連性が見えてくることもある分析法です。

ビッグデータは資産

今後のビジネスで「ビッグデータ」は不可欠な資産となることでしょう。しかし、ただ情報を持っているだけではビジネスで勝つことはできません。ビッグデータを分析する目的を明確にし、解析することでビジネスに活用することができます。ぜひ、目的をもってビッグデータを活用してください。

参考: