BIツールとは?導入すると何ができる?おすすめツール5選を比較紹介!

BIツール
BIとは「ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)」の略称で、社内の情報を分析し、経営に生かす手法のことです。日々蓄積される大量の情報を分析し、意思決定に役立てるためには、BIツールを上手に活用する必要があります。
今やさまざまな企業で採用されているBIツールですが、まだ導入していない企業にとっては「本当に必要なのか」「導入してもちゃんと活用できるのか」と疑問に思われる方も多いでしょう。
そこで今回は、BIツールが必要となった背景から、BIツールの歴史、BIツールにできること、おすすめBIツールの比較まで、基本事項について解説します。
会社の将来設計に必要な「情報」とは
経営に携わっている方は、少なからず会社の将来を不安に感じたことがあると思います。たとえ今は順風満帆でも、いつ業績が悪化するか分からない時代です。そんな「もしもの時」を想定した場合、「今何が求められているのか」「我が社に足りないものは何なのか」など、経営陣の悩みは尽きません。
情報収集が欠かせない時代
その悩みを解決するために必要なもの、それが「情報」です。例えば「今、何が求められているのか」という疑問には、「ユーザーアンケート」や「市場動向」といったデータが役に立ちます。また「我が社に足りないもの」を分析するためには、「過去の売上推移」や「クレーム記録」「社員データ」などの情報が必要になるでしょう。このように、会社の将来設計にはありとあらゆる「情報」の収集が不可欠です。
膨大な情報をどう管理するのか?
ただ、ここで問題になるのが情報の管理方法です。アナログの時代には「情報」の大部分が「経験」として人間の頭の中だけにしまわれていましたが、社会のシステム化が進むにつれてさまざまな情報がデータとして蓄積されるようになりました。そして、データベースの規模は年々拡大増えていきます。
その結果、情報を管理する重要性が日増しに高まっているのです。膨大なデータからは一つの情報を探すだけでも一苦労。「一応記録としては残っているけど確認するのが手間なので結局見ない」「既存のシステムだけで動かしていくことに限界を感じる」と考える経営者の方は多いようです。このように、増大していく情報の管理方法に頭を悩ませている企業経営者の強い味方となるのが「BIツール」です。
BIツールの歴史
BIへの取り組みは、1980年代から行われていたといわれています。1990年を迎えるころには、経営やデータ分析の専門家でなくても活用できる、経営意思決定のための分析データの入手を目指すことになります。より分析スピードが求められるようになるのと同時に、「経営」「営業」「サービス」「製造」などそれぞれの職務に合わせたデータ分析や、現場担当者レベルでも分析ができる「セルフサービスBI」の時代を迎え、誰にでも実践的にBIツールが活用できるようになってきました。
IoT(モノのインターネット)の普及も含めたビッグデータの蓄積、ディープラーニングで分析力を高度化させていくAIなどとの連係や融合で、BIは今後もさらに進化していく方向にあります。
BIツールにできることとは?
BIツールは時代と共に進化していき、企業のニーズにあわせてどんどん多機能なツールへと変わっていきました。必要な情報だけを抽出し、分類や並べ替えを行うのはもちろんのこと、さまざまな形でレポートとして出力することもできます。
もし今までこれらを手作業で行っていたとしたら、BIツールの導入によって、時間と手間をかけていたときのことを嘘のように感じるはずです。
そんな現代のBIツールが備えている代表的な機能をご紹介しましょう。
迅速なレポート出力
売上データや前年度比など、経営戦略を練る上で欠かせない資料作りもBIツールなら簡単です。企業内のシステムからデータを吸い上げ、分析結果を定型レポートとして自動で出力します。これはレポーティングと呼ばれる機能で、上手く利用すれば会議資料の作成時間を大幅に短縮できるでしょう。
ダッシュボードへ分かりやすく表示
ダッシュボードと呼ばれる機能は、複数の分析結果をまとめて画面上に表示することができます。一覧表やグラフなどで気になったものを任意に選び、拡大表示をしながらデータを見比べれば、業績不振の原因究明などが可能。データを分かりやすく可視化できることも、BIツールの特徴です。
データマイニング
データの流れには、分析することで見えてくる傾向やパターンなどが存在します。それらを見つけ出す機能がデータマイニングです。ただ少し複雑な分析手法を用いるため、ある程度専門知識を備えた人でないと、この機能を使いこなすのは難しいでしょう。
シミュレーション
グローバル企業は、為替が1円変動するだけでも売り上げ予測が大きく変化します。予測に反し「こんなはずじゃなかった!」と後悔しないためには、シミュレーションが大切。最悪の状況をいくつかシミュレーションしておけば、備えておくことができるからです。BIツールなら日々の変動に併せて柔軟かつ容易に予測をシミュレーションすることができます。
BIツールとエクセルの違いとは?
ところで、BIツールの説明を聞くと、「エクセル(Excel)で対応可能なのではないか?」と思われる方もいるはずです。確かに、並び替えやデータ抽出関数を使うことで、エクセルはデータベースソフトにもなります。豊富な関数を駆使すれば専門ソフトにも劣らない統計分析もできるので、パソコンの初心者から数値を扱う専門職の人にまで役立つ優れたソフトウェアです。
本ブログでも、エクセルのビジネスでの役割と、より拡張性を活かした使い方について紹介しています。
このように、エクセルは多くの分析機能を持つ優れたソフトです。しかし、レポート作成・分析を目的としたツールではないので、レポートを見る人間に視覚的にわかりやすくするためには、多くの工数がかかってしまいます。そこで活用したいのが、よりレポート作成に特化したBIツールというわけです。
データのビジュアル化についてより詳しく知りたい方はこちらの記事もお読みください。
BIツール導入のポイント
データの可視化、ビジュアル化が重要なのは、現状と将来予測を可視化することにBIの真価があるからです。現在では企業の各部署の担当者ベースでもBIツールが使われるようになり、それぞれが分析し、その結果を共有することで組織全体の意思決定力、問題解決力などを高められるようになってきました。
BIツールの導入にあたっては、現場の協力がもっとも大切であり、その指導も一緒に考えなければなりません。経営層とIT部門だけで活動するのではなく、全社を挙げてデータの抽出と分析に取り組む体制をつくること、そして各部門にBIツールの活用を啓蒙することがポイントです。
業務現場で活用したいBIツール比較
それでは、具体的にどんなBIツールを導入したら良いのでしょうか? 目的は同じでも手段は様々です。見た目や機能も重要ですが、運用方法やセキュリティ、業務システムとの親和性、コストパフォーマンスなど、何よりも自社の考え方に近いコンセプトの製品を選定することが重要です。
ここでは、現場で活用したいオススメのBIツールの特長を記載します。
Tableau
ドラッグ&ドロップの操作だけで、多様な表現方法を用いてデータのグラフ化や地図上へのマッピングを行い、リアルタイムにビジュアル分析を行うことができる。予め決められた定型シナリオに従った分析を行うのではなく、簡単にアドホックな深堀分析ができるのが特徴。分析オブジェクトには、リファレンスライン、傾向線、箱ヒゲ図などのほか予測も準備されている。
提供会社(本社所在地):Tableau Japan(アメリカ)
価格:personal 51,000円(年額)/1ユーザー、professional 102,000(年額)/1ユーザー
QlickView
事前にBI用データ(マートやキューブ)構築を必要としない「連想技術」と、大量データを高速に処理できる「超高速インメモリ技術」が特徴。ユーザーは、アプリケーション開発者によって最適化されたデータモデルと分析画面に沿ってデータを探索し、タッチ&クリックの簡単操作だけで豊富なビジュアライゼーションと分析機能を用いた意思決定を行うことができる。 関連製品として、ユーザー部門完結型の Qlick Senseがある。
提供会社(本社所在地):Qlick(アメリカ)
価格:2,502,000円~
Dr.SUM
超高速DBエンジンを中核に、ユーザーが主体的にデータ活用できる環境が構築できる。IT部門が現場の様々なデータをDr.Sumに蓄積することで、ユーザーはExcelを使った自由分析や、Webブラウザー上で加工できるインターフェイス(Web OLAP)で、見たいレポートを直観的な操作で自由に作成できる。関連製品として、ダッシュボード作成ツールのMotionBoardがある。
提供会社(本社所在地):ウイングアーク1st(日本)
価格:Dr.Sum EA One(同時実行数3)1,000,000円
Oracle BI
業務部門のユーザー自身が、ビジュアルなユーザー・インターフェイスを通じて自由にデータをビジュアル化し、発見したインサイトを関係者に分かり易く共有できる。Excelやデータベース内のデータはもちろん、他社のクラウド型BIサービスで作成したデータも取り込んで多様な角度で視覚化/分析が可能。データの視覚化を自動で行い、従来と異なった視点でのインサイト取得が可能。ドラッグ&ドロップのみで新たな相関関係も発見できる。
提供会社(本社所在地):日本オラクル (アメリカ)
価格:Oracle Data Visualization Cloud Service 9,000円(月額)/1ユーザー(最小5ユーザーから)
Data Knowledge
業務部門のユーザー自身でデータを活用する事を目的とした純国産のBIツール。事前にBI用データ構築を必要とせず、様々な種類のデータベースやPC上のデータから、カンタンな操作でレポート作成や分析が可能。個人の情報活用ノウハウを蓄積・共有し全社のノウハウとして活用できる機能と、ガバナンスを確保できるセキュリティ機能が特徴的。非定型から定型運用へ、個人利用から組織利用へ、など、現場の変化にも対応できる。
提供会社(本社所在地):クロスユーアイエス (日本)
価格:500,000円~
BIツール導入にあたっては、目的やゴールを明確にして、適切なソフトを選定しましょう。
BIツール導入でどう変わる?
BIツールを使った経営の効率化、イメージはできましたか? 経営陣がリアルタイムで業績を把握し、経営判断に役立てたり、営業マンがBIツールから作成した説得力のあるシミュレーション結果を使い営業に役立てたりと、使い方はさまざま。会社の現状に合わせて導入すると良いでしょう。これらのBIツールが持つ機能を使いこなせれば、会社経営の強力なサポートツールとなります。
BIツールは、会社の成長をサポートしてくれるありがたいパートナーであると言えます。どんなデータを活用し、どんなことに役立てるかは企業次第です。情報社会を生き抜くためにも、ぜひBIツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
国産BIツールなら、DataKnowledge
・ 社内にある大量のデータをもっとうまく活用したい
・ エクセルで集計作業やレポート作成を行っているが、毎回時間がかかって大変
・ BIツールを使ってみたいが、うまく使えるか不安
そうお考えであれば、ぜひData Knowledgeの導入をご検討ください。
参考:
・ BIツールで何ができる? 活用イメージを紹介|ITトレンド